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前立腺肥大症の診断と検査方法

前立腺肥大症 検査

前立腺肥大症の診断には重要な3つの要素があります。

 

@排尿症状の程度

 

A下部尿路の閉塞の程度

 

B前立腺の肥大の程度

 

この3つをそれぞれ独立した現象と考えて排尿障害の診断がなされます。

 

それぞれの要素を象徴する検査が、

 

@症状:前立腺症状スコア(IPSS)

 

A排尿機能:残尿量の計測と尿流量検査による最大尿流率の計測

 

B形態:超音波検査による前立腺の容量測定

 

尿道狭窄、神経因性膀胱など、前立腺肥大症以外の原因で排尿障害を示す場合は、どれかの要素が正常範囲にとどまります。

 

前立腺の腫大が高度であっても、後述する尿流量検査や症状スコアで異常を示さなければ前立腺肥大症としては扱われません。

 

前立腺肥大による排尿障害は、これらの3つの要素のいずれもが異常を示します。

 

効果的な治療を行えば、3つの要素は正常値に向けて回復します。

 

前立腺肥大症の診断は、上の3つの要素を客観的に評価し、その結果を総合的に判断して重症度を決めます。

 

前立腺の診断は薬物療法の対象になるかどうか、つまり、内科医が治療できる範囲であるかどうかを判断されます。

 

また、以下の3つの所見があれば、救急の処置が必要になります。

 

救急処置が必要になる3つの所見

 

  • 上部尿路における水腎症、水尿管症
  • 腎機能の低下(血清クレアチニン値で判断)
  • 尿路感染による発熱

 

病院で前立腺肥大症の診断のために行われる検査方法

前立腺肥大症 診断

病院で前立腺肥大症が疑われる際に受ける検査は以下の通りです。

 

検査方法@一般尿検査

 

前立腺肥大症そのものを尿もしくは血液で評価することはできません。

 

残尿が長期にわたると慢性の尿路感染を併発することがあるので、検尿のなかでも尿沈渣所見(白血球、細菌)は重要な検査です。

 

検査方法A血液生化学検査

 

慢性の尿閉状態が続くと、腎機能低下をもたらし、腎不全をきたします。

 

賢機能障害の指標として、血清クレアチニン値が重要です。

 

検査方法B直腸内触診

 

前立腺を触知できる唯一の方法です。

 

前立腺肥大症の特徴として、表面平滑、弾性硬、辺縁明瞭、左右対称、中心溝の触知などがあげられます。

 

触診で前立腺肥大か早期癌かを鑑別するのは、泌尿器科専門医でも困難です。

 

早期癌かを鑑別するにはいかに説明するPSAの方が優れた診断法です。大きさの判定も超音波検査の方が客観性があります。

 

直腸内触診の直後は腫瘍マーカーが上昇し、偽陽性を表すことがあるので採血には注意が必要です。

 

肛門に指を挿入するときに肛門活約筋の緊張が低下している場合には、神経因性膀胱と鑑別するための諸検査が必要です。

 

検査方法C前立腺腫瘍抗原(PSA)

 

症状だけから前立腺癌を鑑別することはできません。

 

早期癌の場合、専門医であっても直腸内触診、超音波検査を用いても診断は困難です。

 

PSAだけが前立腺癌発見の根拠となり、しかもその多くが早期癌であることから、排尿症状を訴えてとして受診した50歳以上の患者には、他のどの検査よりもPSAが優先されます。

 

前立腺肥大症でもPSAは軽度上昇することがあります。この場合、前立腺容積を計測して補正することによって癌との鑑別が可能です。

 

PSA値がグレーゾーンで、前立腺肥大症は前立腺癌かの判定に苦慮したときには、3?4力月おきに再検査して値の変化をみることもあります。

 

 

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