ノコギリヤシとは?
ノコギリヤシとは、英名をsaw palmettoソウパルメットという北米大陸に自生する低木のヤシです。
その葉がノコギリのようにギザギザの形状をしているためにノコギリヤシという名前が付けられました。薬用には赤い果実を用います。
北米大陸でも南の方、つまりアメリカ合衆国のフロリダ州やメキシコなどに多く見つけることができます。
ノコギリヤシの実は、古くから強壮剤や利尿剤として使われ、近年の研究によって前立腺肥大症を改善することがわかってきたのです。
現在、ヨーロッパでは、ノコギリヤシに「植物のカテーテル」という別名が与えられています。
尿の出が非常に悪くなると、カテーテルという導尿管を使いますが、ノコギリヤシのエキスはそのかわりになるほど尿の出をよくするというわけです。
アメリカ大陸の先住民であるネイティブアメリカンは、さまざまな天然の有効成分を巧みに活用して病気を治し、また、健康を増進してきました。
ネイティブアメリカンが薬として使用
ネイティブアメリカンたちは前立腺肥大を改善しようという限られた願いからではなく、鎮痛剤や強壮剤、男性の性的興奮の抑制とか、EDの治療のほか女性の月経痛、無月経の改善さらに気管支に効く去痰薬として役立てていたのです。
強壮剤、栄養剤としても用いてきたところから考えると、この理由がネイティブアメリカンのノコギリヤシの効力発見へのいちばん大きな手がかりだったのではないでしょうか。
精力をつけたいと願って用いている中で、前立腺肥大その他への効能に気がついた、と考えたほうが自然でしょう。
強壮剤としての効果はノコギリヤシの中に前立腺肥大を治す強い薬効があるからです。
アメリカやヨーロッパで効果が認められたノコギリヤシ
1890年代にはすでにノコギリヤシの実の成分を、治療に使ったとき効果を示す臨床試験の結果が「アメリカ泌尿器科学会誌」に多く掲載されています。
ノコギリヤシは北米大陸から海を渡ってフランスに伝わり、そこでも本格的な研究が行われ、現在では、ノコギリヤシの熟した果実から抽出したノコギリヤシエキスが、広く、前立腺肥大症の特効成分として用いられています。
ノコギリヤシエキスに含まれるシトステロールが有効成分として知られています。
ノコギリヤシエキスを用いて前立腺肥大症に対する臨床効果をあげているのはフランスだけではありません。その他の欧米各国からもさまざまな臨床効果が報告されています。たとえばイギリスです。
『英国臨床薬理学ジャーナル』は、20人の前立腺肥大症の患者を対象とした臨床研究の結果を、
「1日に320ミリグラムのノコギリヤシエキスを摂取した人は、対象薬(ノコギリヤシエキス以外の前立腺肥大症の治療薬)を摂取した人々よりも10倍も尿の流れが改善された。
また、膀胱を空にする効果は、対象薬と比べて5倍になっています。また、排尿のために夜中に頻繁に起きていた人が起きなくなり、排尿時の痛みや不快感が減り、排尿の困難を経験しなくなった」と伝えています。
またドイツでは前立腺肥大症の患者1334人を対象とした臨床試験を行い、その結果を、
「ノコギリヤシエキスを6力月与えたところ、80%の人に、良いかきわめて良いという結果が出ている。トイレに行く回数が37%減り、夜中に起きる回数が54%減り、膀胱を空にする能力が50%高まった」
と報告しています。
さらにべルギーでは305人の前立腺肥大症の患者を対象に試験を行い、臨床医や患者の報告と、客観的測定の結果、88%の患者の症状が軽くなった事実を報告しています。
もちろん、日本の泌尿器科の専門医も、ノコギリヤシエキスの薬効を認めています。
ノコギリヤシエキスが前立腺肥大症に効く理由
ではなぜ、ノコギリヤシエキスがこのように全世界の専門医から絶賛といっても過言ではない高い評価を得ることになったのでしょうか。
その理由は、ノコギリヤシエキスには前立腺肥大症に対する根本療法の効果があるからです。
根本療法とは根治療法ともいい、その病気の原因を取り除くことで完全に治してしまうことを目指す治療法を意味します。
ノコギリヤシエキスには前立腺肥大症の根本療法効果があるのです。
前立腺が肥大していく原因は、ホルモンのバランスが崩れたところにあります。
前立腺肥大の原因は、
・年齢とともにホルモンの分泌が減少し、睾丸から分泌されるテストステロンの分泌も減少する。
↓
・その反動として前立腺に取り込まれるテストステロンの量が増大する。
↓
・前立腺に取り込まれたテストステロンは5α-リダクターゼという酵素の仲介によってジヒドロテストステロンに化学変化する。
↓
・過剰に生成されたジヒドロテストステロンによって前立腺の肥大が進行する。
という流れになります。
ノコギリヤシエキスには、ここにあげた酵素、5α-リダクターゼの生成を阻害する働きがあり、5α-リダクターゼの生成が阻害されれば、その仲介によって生成されるジヒドロテストステロンも減ります。
その結果、前立腺へのジヒドロテストステロンの影響は少なくなり、前立腺の肥大は予防できます。
更には、各国の臨床試験においては、肥大していた前立腺が縮小するのが観察されています。ノコギリヤシエキスには、治療効果もあるのです。
これは、ジヒドロテストステロンへの化学変化を阻害することで前立腺を構成している細胞内部でタンパク質が合成されず、前立腺における細胞増殖がなくなるからです。
細胞はいずれは死滅して数を減らしますが、新しい細胞が増殖しないのですから、次第に前立腺を構成する細胞の総量は少なくなり、肥大していた前立腺は縮小するのです。
プロスタグランジンの作用を抑制する効果
プロスタグランジンと呼ばれる触媒もまた、前立腺を肥大させる作用を持っているのではないかと注目を集めています。
プロスタグランジンにはジヒドロテストステロンと同じようにタンパク質合成を促進する働きがあり、前立腺においては構成している細胞内部でタンパク質の合成が進み、その結果、前立腺における細胞の増殖が進行して前立腺肥大になるというのです。
したがって、プロスタグランジンの作用を抑制できれば前立腺の肥大も予防、あるいは治療できることになります。
ところが、ノコギリヤシエキスには、このプロスタグランジンの活性化を抑制する働きもあるらしいのです。
この学説が正しければ、ノコギリヤシエキスには前立腺肥大症を治し、予防するさらに大きなパワーがあるということになります。
なぜなら、プロスタグランジンとは、精液の主成分のひとつだからです。
精液を生成するのは前立腺ですから、前立腺には常にプロスタグランジンが満ちているわけで、その蛋白パク質合成.の作用が阻害されない限り、前立腺の肥大は予防も治療もされません。
こうした側面からもノコギリヤシエキスは、泌尿器科などの専門医から強い注目を浴びている特効性のある天然の有効成分なのです。
副作用のない自然の力を利用した治療
現在、行われている前立腺肥大症の一般的治療法としては、手術と薬物療法があります。手術もかなり進歩していますが、それでも体には無理がかかるため、最近はできるだけ手術を避け、薬で治す傾向が強まっているのが実情です。
しかし、代表的な治療薬であるホルモン剤には、EDや動悸などの副作用が現れることが知られています。
また、前立腺癌の検査に支障をきたす場合があるのも問題です。前立腺癌は前立腺肥大症と症状が似ていて、自覚症状だけでは区別ができませんが、簡単な血液検査で発見できます。
しかし、強力なホルモン剤を使うとその検査が正確にできないことがあるのです。
一方、原材料が植物由来であるノコギリヤシサプリメントなら、これらの心配がなく、副作用もないので安心して服用することができます。