前立腺肥大症と前立腺癌は違う病気
結論から言うと、
前立腺肥大症と前立腺癌は違う病気で、発病のメカニズムが異なりますから、前立腺肥大症が進行すると前立腺癌になるということはありません。
ただし、前立腺の肥大がもたらした残尿は、前立腺癌の遠因になることもあります。
膀胱や尿道に残った尿に含まれた有害な物質が前立腺癌の引き金になることもあるのです。
例えるなら、慢性的な便秘で腸の中に残った便の中に含まれた有害な物質が大腸ガンの引き金になるようなものです。
前立腺癌は前立腺肥大に関係ないが症状は似ている
前立腺癌は、前立腺肥大に関係のない別な病気です。
ですが、前立腺にできる病気ですから、症状は前立腺肥大によく似ているので、たとえば血尿などあったときには検査をしてみることも必要でしょう。
前立腺肥大症に似ている前立腺癌の症状
ではどんな症状を示すのでしょうか。
医学書では、進みぐあいを4つの段階に分けています。
前立腺癌の第1段階
第1段階では、前立腺の中に小さな病巣があるだけなので触診してもわかりません。
前立腺肥大症の手術をしたときにガン細胞がみつかる、というのです。
前立腺癌の第2段階
第2の段階は直腸を通して触診、そのとき少し固い部分を感じます。
まだはっきりとはわからない程度にガン細胞は存在しています。
前立腺癌の第3段階
第3の段階は前立腺の被膜をこえて、まわりの組織などに少しつづ拡がった状態です。
前立腺癌の第4段階
前立腺癌の第4の段階は、ガン細胞がリンパ節や骨、肝臓、肺など他の臓器に転移している状態です。
前立腺癌の進行はゆっくりしていて、第4の段階まで進んでいても抗がん剤などの薬剤が適切で効いていればすぐには大事には至らないのですが、悪性の腫瘍なので油断はできません。
治療は、切除手術によりますが、手術後にEDや尿失禁になる事が多いといいます。
前立腺肥大症と前立腺癌の違いを把握する
老化現象としての前立腺肥大は、ほぼすベての男性が経験します。
前立腺が肥大しても、それ自体は大きな問題にはなりません。男性特有の前立腺癌にしても、その発生要因は前立腺肥大症とは直接の関係がないからです。
ただし前立腺の肥大が進行することで排尿困難が悪化し残尿が増加すると、その残尿が前立腺癌の引き金になることはあります。
前立腺癌が日本と比べて欧米に多く、その原因は食生活の違いと考えられています。
食の欧米化が進む日本人にも前立腺癌が最近増えてきているようです。
しかし、前立腺癌と前立腺肥大を比べながら考えてみると、前立腺肥大症がいかに良性で症状か、ということがわかります。
前立腺肥大症の克服のためにもこの違いを把握しておきましょう。